(金門 15日 中央社)離島・金門の海辺には主に中国大陸の船やカキ養殖業者から排出されたゴミが多数漂着している。金門在住の芸術家、王明宗さんはゴミをそのまま廃棄するのはもったいないとの思いから、漂着ゴミを使用して彫刻作品を製作し、環境保護に一役買っている。
漂着ゴミの中で特に多い素材はポリスチレン。中でも浮きに使われるポリスチレンは密度が高い上に十分な厚みもあることから、王さんは彫刻に最適だと考え、新たな試みを開始した。
王さんによると、ポリスチレンでの彫像作りは、壊れたら土で補うということができないため、難易度が高いという。
王さんが現在手掛けているのは、鶏をモチーフにした作品。酉(とり)年にちなんだ。このほか、金門で魔除けとして親しまれているシーサー(風獅爺)の彫像なども製作している。
ポリスチレンを使った彫刻に必要な道具は簡単なカッターだけで、素材は無料で手に入る上に海辺の清掃にもつながり、一挙多得だと話す王さん。金門には木工や石刻の職人が極度に不足していることに触れ、ポリスチレンを利用した彫刻教育の推進を提案した。
(黄慧敏/編集:名切千絵)
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