(金門 27日 中央社)旧約聖書「モーゼの十戒」をほうふつとさせる風景が見られる離島・金門島の景勝地「建功嶼」で1年以上前から行われてきた修繕工事が今月中旬までに完了し、一般公開が再開された。展望台や石畳などの補強、修繕などが行われたほか、二カ国語の解説や潮汐表なども設置され、観光客の利便性が高まった。旧正月(春節)の連休期間には多くの観光客でにぎわった。
建功嶼は金門本島の西側に位置する面積約500平方メートルの小島。中国大陸福建省のアモイ島を間近に望むロケーションで、対岸との関係が緊迫していた1949年に国軍の拠点が置かれ、1997年の軍備縮小を受けて撤退するまで防衛網が築かれた。このため島内には今もなお、保護壁やトーチカなどの軍事施設が残る。
同島と本島の間は潮間帯になっており、干潮時には、満潮時に海面に覆われている部分が現れる。金門県政府はこの特性を生かし、2002年に二つの島を結ぶ石畳の歩道を建設。引潮になると歩道が出現する奇観が「台湾版モーゼの十戒」と呼ばれ、地元有数の観光地の一つとなった。ここでの海上散歩では、フジツボやツブガイなどのほか、「生きた化石」といわれるカブトガニにも出会えるという。
同島は2016年9月の台風で大きな被害を受けたため、同年末と昨年末から今年初めの二段階に分けて修繕工事が進められていた。
(黄慧敏/編集:塚越西穂)
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